家畜ふん堆肥の窒素の形態解析に基づく実用的肥効評価法の開発

摘要

日本国内における家畜ふん堆肥に含まれる肥料成分量は 窒素，リン酸，カリとも年間二十万トンを超え，国内の化 学肥料需要の半量を超える成分もあり，肥料をほとんど自 給しない我が国では最大の肥料資源ともいえる.これを有 効的に活用できれば化学肥料の使用削減と家畜ふん堆肥のリサイクルを同時に推進することができる.特に2008年 に肥料費が高騰して以来，家畜ふん堆肥の肥料としての利 用に関心が高まっている.家畜ふん堆肥に含まれる有効な成分量は，多くの場合リ ン酸ゃカリに比べて窒素は低い.しかしながら，窒素は作 物生育を大きく左右すること，硝酸態窒素による環境負荷 等から肥効を把握することが最も重要視されてきた.