リン酸施肥量および土壌有効態リン酸含量がブロッコリ一花蕾部の リン.カルシウム濃度と花蕾腐敗病に及ぼす影響

摘要

リジ酸施肥量や有効態リン酸含量が花蕾部のリン濃度や 花蕾腐敗病発病に及ぼす影響を明らかにするため，リン酸 用量試験や現地調査を実施した.さらに，花蕾肥大期間中 の窒素，リンおよび力ルンゥムの動態を調査し，花蕾の力 ルVゥム濃度に及ぼすリンと窒素濃度の影響を検討した.1)リン酸増肥によりリン吸収量は増加したが,.花蕾部重や花蕾部リン濃度に影響せず，土壌診断基準値前後の有 効態リン酸含量はこれらし、ずれにも影響しな力、つた.2) 現地調査では，有効態リン酸含量は発病圃場と未発 病圃場との間に有意差がなく ，花蕾部のカルシウム濃度に 影響しなかった.3) リンは花蕾肥大期間中に窒素に対応して葉から花蕾 へ転流すると考えられた.窒素増肥による花蕾部におけ る集積量の増加率は力ルンゥムがリンに比べて低かった.4) 現地調査ではリン吸収は力ルシゥム吸収を抑制せず， カルシウムの花蕾部への移行を阻害していなかった.5) 以上から，土壌有効態リン酸含量を適正に維持すれ ば，リン酸施肥量，土壌の有効態リン酸含量およびリン総収量は花蕾のリン濃度，カルシウム濃度および花蕾腐敗 病発病に影響せず，花蕾の窒素濃度が高いと発病株率が高 まることが分かった.