低照度儒鎖積境下でスケジュール化された共同生活を送る被験者の概日リズム（宇宙ステーションシミュレート実験）

摘要

人工的昼夜変化、低照度、小集団による生活など、閉鎖環境として特徴づけられる宇宙空間（宇宙船内）では宇宙飛行士に不眠が多発し、その原因の1つとして生物時計の機能変化が考えられている。これまで研究により、低照度閉鎖環境下（＜101ux）で単独で生活した場合、24時間周期の生活スケジュールのみでは生物時計が内申に脱同調する可能性が高く、身体的精神的不調を誘発することが明らかにされている。 しかし、低照度下でも身体運動を毎日決まった時間帯に負荷することにより、生体リズムの内的脱同調状態が解消される可能性も示されている。 　 本研究の目的は、特殊環境である低照度閉鎖環境下（100 lux）で、2週間にわたり共同生活するヒトの睡眠及び生体リズムを測定し、睡眠障害の原因となる生物時計の脱同調のメカニズムを明らかにするとともに、その早期発見法や運動負荷などの予防策を考案することにある。