水稲田におけるメタン（CH4）の発生量

摘要

世界中の水田からの年間メタン発生量の推定値は60Tg（60X10~(12)g）で，その誤差範囲は20～100 Tgである。 この推定値は，①人為による発生源の中で反袈動物につぐ大きさであること，②誤差の範囲が大き過ぎることなどから，現在，水田からの正確なメタンの発生量が求められている。 筆者の一人は乾田1耕区（30 a，暗渠施工水田）内において，用水路側でのメタンの発生量は排水路側でのそれの約2．2倍であり，1耕区の水田内で場所の違いによってメタンの発生量に大差のあることを明らかにしている。 そこで，筆者らは次の研究段階として，水稲田1耕区におけるメタンの発生量をより正確に求めるために，水稲田1排区（無暗渠水田）内において用水路側，中央部および排水路側の3地点で，メタンフラツタスの測定を行い，メタンの発生について若干の考察を行ったので報告する。