コスト最小化理論に基づく液状化対策工の最適設計

摘要

構造物のリスク評価、リスク管理を議論する際，コストと連携づけて議論されることが多い。 また, 維持管理費用を含めたライフサイクルコストの縮減は，さまざまな分野で要求されるところとなってきている。 一般に，リスクをコストで評価する場合，リスク＝損失の発生確率×損失............（1）という式が成立する。 これと，稔コスト（維持管理費用が含まれる場合はライフサイクルコスト）は，稔コスト＝初期建設費用＋維持管理費＋リスク（2）の関係が成り立つ。 これは，最も単純な場合であるが，これに様々なコストが加賀されることは実問題では当然あり得る。 一般に構造物のリスクを低くしようとする場合，初期建設費や維持管理費が大きくなり，相反関係が成立する。 したがって，式（2）の（右辺第1項＋第2項）と第3項をバランスさせることによって，絵コストを最小化させることができ, 最適設計計画を決定することかできる。 本報では，総コストを最小化する設計法について解説している。 この考え方は，総費用最小化理論として信頼性設計法に取り入れられることが多い。 その他の設計法として，制約条件に許容破壊確率を設定して設計する方法も考えられるが，許容確率そのものを合理的に決定すること自体極めて困難であり，したがって，ここでは制約条件のない総費用最小化理論を用いている。 具体的に，事例として，干拓堤防の液状化低減を対象とし，最適地盤改良法を決定するための信頼性設計を実施している。 内容は以下のように要約される。