農業土木分野におけるフィールド計測技術（その10）--構造物の非接触変形計測技術--

摘要

土木構造物の維持管理を行うには，構造物の健全度を評価するためのデータを計測する技術が必要不可欠である。 本講では，数ある計測技術の中で，構造物の変形を非接触で計測する技術をいくつか紹介する。 計測データ取得後は，そのデータに基づいて健全度をいかに評価するかが重要な課題になるが，それについてはここでは言及しない。 構造物の変形を非接触で計測するには，空中を伝播する波動（電磁波，音波等）を用いる以外に方法はない。 波動を用いた計測手法の中でも，光（電磁波の一種）を用いた計測方法が最も多く用いられている。 その理由は，計測精度がよいこと，適用可能範囲が広いこと，さらに手法によっては計測速度が速いこと等である。 そこで，本講では，光を用いた構造物の変形計測技術に絞って紹介する。