鹿児島県における住民参加型の農業農村整備への取組み

摘要

鹿児島県では，21世紀における県政推進の基本となる「21世紀新かごしま総合計画」並びにその農業分野の実践方策である「かごしま農業、農村ビジョン21」が，平成13年度からスタートしている。 また，国では「食料、農業、農村基本法」に基づき，地域住民参加のもと環境との調和へ配慮した事業実施等を内容とする「改正土地改良法」が施行され，農業農村整備事業の推進にあたっては「時間管理原則」をはじめとした「事業の進め方に関する4原則」が導入されるなど，今後の効率的な事業展開の方向が示されたところである。 加えて平成14年度から，消費者に軸足を移して「食」の安全と安心の確保に向けた改革を目指す『「食」と「農」の再生プラン』もスタートした。 これらにより，農業農村整備施策の対象分野は従来の領域からさらに大きく，国民全体の生活、暮らしの向上までをも視野に入れた地域振興へとシフトすることとなり，まさに新たな事業展開の幕開けが告げられたと言える。