緑色L E D光の夜間照明を中心とした 露地野菜栽培におけるIPM防除体系

摘要

ォォタバコガゃョトウガ、ハスモンョトウ（図 1)などのャガ科のチョウ目害虫（以下、ャガ類） は、野菜類、花卉類、大豆等の多種の農作物を摂 食、加害する難防除害虫である。近年、環境保全 型農業の推進や消費者の食の安全、安心への関心 の高まりなどから、化学農薬の使用に依存しない 減農薬防除技術の開発が求められており、ャガ類についても様々な技術の検討がなされている。その中でも、光を用いた防除技術は、ャガ類の行動 活性の特徴に着目した技術である。ャガ類は、複 眼（昆虫の目）が暗い条件に適応している場合に は行動活性が高まり、明るい条件に適応している 場合には行動活性が低くなる。このため、夜間に 照明を行って圃場内を明るい条件にすることで、 ャガ類の行動を著しく抑制することが可能であ る。既に、夜間照明による行動抑制技術は、果樹の吸蛾類（内田、1982)や施設カーネーションの ャガ類（八瀬ら、1996)などで黄色蛍光灯を光源 として広く普及している。しかしながら、露地野 菜園場における恒常的な照明装置の設置は、①電 源の供給設備の設置が進んでいない地域が多く 、 照明装置を利用するための電源が不足している、 ②水田転作田や連作障害回避のための輪作など、 対象作物の生産圃場が果樹園や施設園芸と比べて 固定されない、③耕起や収穫作業などの際に照明 装置を撤去する必要がある、などの多くの問題点 を有している（藪、1999)。