ミディ卜マ卜「越のルビー」の 冬季補光技術について

摘要

福井県立短期大学（現、福井県立大学）において，勝田ら（1989)によって大玉とミニの中間の 大きさのミディタイプのトマト「越のルビ一」が 育成された。従来，高糖度と青枯病抵抗性は，多 数遺伝子型に属し，同一の個体に固定することが 困難であった。そこで勝田らは，複数の優良形質 を複合して同一の個体に固定させる手法として， 組織培養を前提とした雑種第2-3代からの優良 個体選抜を行い，青枯病抵抗性を有する高糖度の果物タイプのミディトマトの作出に成功した。こ のように，福井県で全国に先駆けてブランド化さ れたミディトマトは，福井県北部に位置する畑作 地帯や県内ほぼ全域の水田地帯でも，広く栽培さ れるようになった。しかしながら，水田地帯では 地下水浸透による糖度の低下や裂果，土壌病害の 多発などにより，品質や収量が低下すること，ま た福井県は北陸南部に位置する積雪地域であるこ とから，冬季の低温や日照不足等による生産性の低下が問題となっている。