光照射によるパプリカ（カラーピー マン）の追熟技術の基本と実用例

摘要

1.はじめにスーパーの野菜売り場に定着し，日本の食生活 にすつかり浸透したパプリ力であるが，国産品は流通量の10%程度と見込まれている。パプリカの主な需要先は，コンビニエンスストアなどで販 売されているカップサラダなどとされており，流 通関係者からは安定した国産パプリ力の供給が望 まれている。山形県では，日本海側に面する庄内 地域を中心に，冬に育苗して初夏から晩秋まで収 穫する夏秋作型が取り組まれている。この作型は，4月上旬に定植し，7月から収穫が始まり，暖房 しなくても12月までの約6力月間パプリ力を収 穫できる。このため，生産量が安定すれば極めて 収益性の高い作型である。しかし，収穫終盤は晚 秋から初冬にあたるため温度低下や降霜の影響を 大きく受ける。特に，栽培終了間際には，着果か ら90日以上経過し，十分に果実肥大しているも のの，着色が不十分であるため出荷できない果実 が大量に発生する。