人材配置による集落支援制度の可能性と課題—モデルとなつた島根の事例から

摘要

地域に新たな変化をもたらすものは、地域の内と外をつなぎ、それを束ねる存在だ。ここでは、島根県石見地方での実践に、「地域外人材」が拓ぃた新しい共同性の萌芽とその可能性、課題を探る。集落の小規模.高齢化による社会的共同機能の衰退人材配置による集落支援や地域再生支援の課題を明らかにし、展望を得ることが本稿に与えられた課題である。まずは地域の過疎.高齢化、集落の小規模.高齢化の進む現状について確認し、問題の所在を明らかにしたい。本稿で事例としてとりあげる益田市匹見町と浜田市弥栄町はともに、林野率が匹見町97.0%、弥栄町86.3%と高い中山間地域である。