ケニア共和国の園芸農業を中心とした技術協力の方向性（その4）－ケニア農業研究所（KARI）の要請および小農の野菜栽培の現状－

摘要

近年ケニアでは，野菜，花きおよび果樹のような園芸作物の生産が盛んであり，このうち，野菜は主に小農によって生産されている．園芸作物の生産に関わるさまざまな投入要素のうち，種子のほとんどがヨーロッパ，米国，イスラエル，日本，インドなどの諸外国からの輸入に頼っており，現地の気候，土壌および病害虫条件に適合しないばかりか，生産に従事する小農にとっては高価なものにつき，生産の抑制要因の一つとなっていた. そこで，配属先であるKARIのThika地区にある国立園芸研究センター（National Horticulture Research Center：NHRC）は，従来からJICAに対して，国内，海外市場で需要の高い野菜の一代雑種種子の生産，品質管乱増殖に関する技術協力の要請を依頼し，優良種子の国内生産，供給体制に関わる技術的蓄槍を得たいとしていた.