被災地沿岸部における大規模施設園芸

摘要

私の故郷である宮城県山元町は2011年の3 月11日に震災による津波で壊滅的な打撃を受 けた。震災前，一般会計予算が40億程度の小 さな町の中で，イチゴの産業は出荷額ベース で13億円と町の大変大きな産業だった力s, 129のイチゴ農家のうち125が津波で流され た。東京に住んでいた私は1か月に1，2回の ペースで故郷再興のためにボランティアで山 元町に通った（写真1)。特にイチゴ農家の 復旧を手伝うことが多く ，津波による汚泥の 除去など肉体労働に従事していた。当時の私 は東京でIT関係の会社を経営しており，既に10年のキャリアがあった。そのうちに肉体労働だけでなく，イチゴ農家のマーケティン グゃブランディング（顧客に対して価値ある ブランドを構築するための活動）を手伝うこ とも多くなつてきた。