中国における有機食品，緑色食品の生産と流通

摘要

近年は農薬残留，0－157，BSE等の問題が発生し，先進諸国をはじめとして食品の安全性，世界的な環境に対する関心の高まりに応じて，有機農業や有機食品が注目されている．中国は発展途上国であり，有機農産物の国内需要への対応と同時に，経済力のある国への輸出もしている．IFOAM（国際有機農業運動連盟：以下IFOAM）の最新統計データ（2006年）1）によると全世界の有機農業面積は5，100万ha（認証された自然採集植物の面積も含む）であり，中国の有機農業面積は350万ha，世界一のオーストラリアの1，210万haに次ぐ世界第2位有枚食品生産国に達している．第3位のアルゼンチンの有機農業面積は280万haである2）．中国においては有機食品以外にもそれ準じるものとして線色食品，無公害食品がある．2006年に有機食品，線色食品，無公害食品は国内の販売額3，000億元，輸出額は30億ドルであり，全国農産物の10％を占めた3）．