奈良県吉野川流域におけるカキ主産地の形成と展開

摘要

奈良県吉野川流域は，和歌山県紀ノ川流域とともに全国有数のカキ主産地を形成している．なかでも奈良県西吉野村、五候市、下市町の3市町村が，カキ生産の中心となっている．各市町村における経営形態の特徴は，西吉野村と下市町がカキを中心とする果樹単一経営，五億市がカキを中心とする果樹複合経営となっていることである．本論文では，県内で最も生産が盛んな西吉野村を事例として取り上げ，カキ生産農家や関係機関に対するヒアリング調査等を通じて，カキ主産地の形成と展開方向について考察を行うことを目的としている．