土壌生成調査実験圃場

摘要

岩石が変質して土壌ができるまでには、風化作用と土壌生成作用という二つの作用が働いています。 風化作用とは、地殻の表層にある岩石が日射や風雨にさらされることによつて、岩石が物理的、化学的に破壊され、含水物質が生じる作用です。 この作用は、有機物がはとんど存在しない状況下で進行するのが特徴的です。風化作用によつて生じた含水物質は、土壌の無機的成分になるもので、これを土壌の母材といいます。ただし、泥炭土壌の場合は例外的に湿性植物の遺体が有機的母材となつています。 これに対して土壌生成作用とは、生物および有機物が存在する状態で、母材から層位に分化した一定の形態的特徴をそなえた土壌（体）が生成する作用です。風化作用は必ずしも土壌生成作用を伴うとは限りませんが、土壌生成作用は必ず風化作用と相互に関連しながら進行しています。 このような土壌生成が実際にどのように進むかを知ろうとして設けられたのが、土壌生成調査実験圃場なのです。