チャノコカクモンハマキの交信撹乱剤に対する抵抗性系統の確立

摘要

チャノコカクモンハマキAdoxophyes honmai（鱗翅目：ハマキガ科）の幼虫は、葉を食べたり、葉を巻いて作った住み場所に糞を残したりして茶葉の生産量や品質に悪影響を与える重要害虫である（写真1）。 この害虫の性フェロモンは4成分からな、つている。 この性フェロモンの1成分である（Z）－11-テトラデセニルアセタート（略：Z11－TDA）はハマキガの仲間に共通的な性フェロモンの成分である。 この成分を含む交信撹乱剤を茶園に設定すると、チャノコカクモンハマキの雄雌間の情報伝達が阻害され、交尾の機会が減ることにより幼虫の発生を少なぐすることができる。 性フェロモンを用いる防除法はフェロモン自体に殺虫活性がないことから、天敵に影響が少なく、環境に影響の少ない防除法として注目されている。