農薬の環境動態予測モデル--効率的な農薬の環境リスク評価をめざして--

摘要

農耕地に散布された農薬による水，土壌等の環境を経由しての人の健康や，環境生態系に与える影響（環境リスク）について’社会的関心が高まっている。 農薬の環境リスクを評価するためには，「農薬の毒性の程度」と，「人や環境生物が暴露される農薬濃度（環境中予測濃度，Predicted Envi．ronmental Concentration）」との両者を把握することが必要である。 環境中予測濃度の算出に当たっては，日本では一律に野外試験を実施し，その結果に基づき推定する手法をとっている。 しかし，欧米先進諸国においては野外試験に要する経費，労力等を軽減し効率的な環境リスク評価を行うため，数理モデル（Mathematical model）を積極的に使用している。 わが国でま　 この数理モデルを活用することが望まれている。