バラ毒液栽培の低コスト、多収栽培のための見直したい養液哲理

摘要

バラの養液栽培は、連作障害がなく、改植しやすく、栽培管理がマニュアル化されており、栽培が容易にできる等の特徴から導入が急増し、全国に普及してきた。 一方、魅力ある養液栽培であるが、問題点、解決すべき課題は少なくない。 日本養液栽培研究会が2年ごとに行っている重液栽培に関するアンケー卜結果（1999）によると、養液栽培では養液管理、経常、環境、栽培の項目の頓に問題点が指摘されている。 具体的には、養液管理面では、品種、時期別、ステージ別の管理が未確立、良質の虎水がない、単肥配合、循環式栽培技術未確立などがあげられていた。 経営面では、切り花単価が低迷し、現在の生産性では設備投資、ランニンダコストに見合う収益が難しいとの回答が多かった。 環境問題に対する関心が高く、排敵の処分法、使用済みロックウールの処分法を心配する回答が多かった。 栽培面では、単価が低下し、品質よりも収量の方に関心が高く、冬季の採花本数の低下や多収栽培技術の検討を望む意見が多かった。 このように、マニュアル化されている養液栽培であるが、基本である毒液管理にも生産者は問題を感じており、現在クローズアップされている環境問題も加味して毒液管理の適正化を図る必要性に迫られている。また、経常の厳しさも浮き彫りにされており、低コス卜化とともに多収栽培技術の確立による収益性の向上が必要である。