過去の復興研究とダム生活再建地づくりの体験から 東日本大震災復旧、復興における新たな！政策展開に向けて一福島第一原発災害による中、遠距離避難者の生活再建問題を問う一

摘要

広島の被爆後復興計画について1978年頃から研究を 始め，その後2000年鳥取県西部地震や2001年芸予地震 の実態とその復興過程ついても考察を続けてきた。また 一方ではダム建設に伴う生活再建地の計画づくりに関わ り，かつその前後における集落の実態や生活再建地計画 に関する評価などのトレースを進めてきた。従来の戦災 復興や震災復興などの復興計画は，現地あるいは近隣地 復興が大前提であった。従来の生活再建地計画もダム建 設地に隣接、接近した場所での計画を前提としたもので あった。しかし，東日本大震災における大津波災害，特 に第一原発事故災害からの復興は，従来の枠組みだけで は対応できないことが明らかとなっている。現地、近接 地で復旧、復興を目指している住民に加えて，すでに居 住地を移転した住民，今後移転を余儀なくされる住民， そして移転した住民も近い将来現地に復帰したい住民，相当期間現地に復帰しない住民，さらには児童と別居形 態家族の大量出現等，様々な条件の違いを加味しながら 新たな対応が要請される事態となっている。