『津市一地方都市の建設史ー』

摘要

本著作物は，著者の岩田氏が津市に居住し，地方自治 にかかわる研究のひとつとして，津市の都市計画につい て，三重短期大学地域問題研究所の「地研年報」に公開 してきた論文をまとめて，出版したものである。本書の構成は三部制をとつており，第一部津市の誕 生と市域拡大，第二部津市の都市整備史，第三部津市の農村整備史で構成されている。明治22年の町村大合 併，大正10年，昭和17年，昭和28年の町村合併，平成の 大合併などの町村のダイナミズムの歴史過程をひもと き，現代までの時空間のなかで，町村合併を繰り返しな がら，その中で津市が地域発展を遂げようとした100年 間にスポットライトを当て時系列的に評価しょうとした 意欲的な大著である。また，津市という一つの空間であ るが，日本の地方都市の代表事例として日本全体の都市 計画で，地方の都市展開をどのように位置づけることが 可能なのかについて，都市と農村のはざまのなかから， 根本的な問いかけを行っている。