新自由主義、連帯経済、コンヴィヴィァリティ一メキシコ農村の事例から一

摘要

公的領域の計画を論じたジョン'フリードマンによれば，planningとは広義の政策（政府が行うものに限定し ない）の目的の実現のための適切な手段の選択をするこ とであり，それは価値（value)概念と手段(means)概念 の両方を結びつける営みであるという。彼は，planning の「4つの伝統」のひとつにSocial Mobilizationを挙げ ている。ここでいうプランニング観は，究極的には下か らの社会変革のための道筋の検討といえる1)。プラン二 ングが現場からの社会変革のための営為を含むとすれ ば，その主体は政府、国家あるいは専門家に限定されな い。地域住民，農民，そして彼らを現場で支援する人々 のすべてが主体である。本稿では，連帯経済というキーワードを手がかりとし て，脱成長社会を築くための現場からの社会変革という 観点から，南部メキシコの事例を概観してみる。