水生植物保全に向けたため池管理業態の把握香川県仲多度地域を事例として

摘要

自然湖沼の開発等で湿地環境が減少する中で，農業用水を確保するために人工的に整備されてきたため池は，絶滅のおそれのある多くの水生植物などさまざまな生物の生息場所として生物保全機能に貢献してきた。 また，ため池の水生植物の存在は他の動物群集の成立や構成に大きく影響を及ぼし，農村が有する水辺環境の生物保全機能の発揮には欠かせない。 しかし，ため池に見られる水生植物の多様性は全般に減少傾向にあり，その要因の一つとして，農業活動の縮小によるため池の管理水準の低下の影響が指摘され七いる。