ため池における危険イメージに関する基礎的研究

摘要

近年，農業用ため池の防災利用や公園利用等の多面的利用が注目されているが，警察白書によると平成11年の湖沼池における水難の死者，行方不明者は86人であり，安全対策が避けて通ることができない重要な課題であることに議論の余地はないだろう。 水際部の構造や転落防止柵の高さ等，安全性に関して検討すべき項目は多岐にわたるが，基本的な計画段階では地元住民の水難事故に対する不安感，言い換えれば水難事故対策の遅れに対する負の評価（以下，「危険イメージ」と呼ぶ）を把握することも重要である。 しかも河川や海と比較した場合，ため池は実際の事故が少ないにもかかわらず危険イメージが強いように思われる。