都市農村交流活動に対する住民の評価に関する研究ー群馬県新治村を事例としてー

摘要

近年，中山間地域では農業の衰退に伴い，都市農村交流活動によって地域振興を図ろうとする傾向がみられる。 国内では，その多くは行政が主体となって都市農村交流施設を建設し，都会からの来訪者に田園景観の中で農作業の機会を提供したり，農作物を直売するなどの活動を行っている。こうした活動は住民の生酒空間内またはこれに接近した空間で行われているため，住民の生活や生産活動に直接影響する。 このため，住民が活動をどのように評価しているかを把握することは，活動の成果と課題を検討する上で不可欠である。 これまで，住民の視点から都市農村交流活動を評価，分析した研究としては，生活環境に与える影響を定量的に分析した高橋らの研究，来訪者の農村地域における余暇活動ニーズと住民の参画意向との敵髄を分析した神吉の研究があるが，活動に対する住民の関わりと意識を分析したものは少ない。