農村地域づくりの持続性一「ルーラル、サスティナピリティと農村計画」の編集意図

摘要

1982年に設立された農村計画学会が設立30周年を迎 えた。30年といえば人間の一世代の年月で，その間に 社会状況も大きく変化している。今回の30周年の区切 りでは，農村計画学会の設立20年（2002年）からこの 10年間を振り返り，今後の農村計画の方向を展望した。21世紀にはいり，農村計画学会の存在意義が問われ た場面が3つある。その第一は，従来の国土総合開発計 画から国土形成計画への転機への対応（成熟社会対応)， 第二は，総人口の減少，少子高齢化.限界集落，限界自 治体の増加に伴う地域再編（平成の市町村合併を含む）' 地域再生への対応（縮減社会対応），そして第三に，東 日本大震災をはじめとする巨大災害、復興への対応（安 全-安心社会対応）である。そして現在まで，これらの 課題に対して，学会を舞台に諸説が展開され.問題意識 と到達目標，課題設定と解決方法の共有化が進んだ。