山村留学後の留学生と里親の交流実態一秋田県旧A町M学園における事例調查ー

摘要

山村留学とは，都市部の子供が1年以上の長期にわた つて親元を離れ山村生活体験するもので，都市農村交流 の一形態と見ることができるものの，本来，青少年に農 山漁村における豊かな自然体験の場を与えることを目的とする教育実践活動である。1976年に(財)育てる会によつて創設された活動を契機とし，北海道，長野県を中心 に全国に広まった。その要因には，過疎地域の零細校に おける統廃合や複式学級回避対策としての側面があり， さらには，心の問題を抱えた都市の子供たちの駆け込み 寺として，その療養のための制度としての側面も帯びることとなった。（財)育てる会による「全国の山村留学実 態調査報告」によると2007年度には全国26道府県の87市 町村において小学生446人，中学生243人の合計689人が山 村留学している。