きのこおもしろ百科【21】「シィタケの矮化病」

摘要

シィタケの原木栽培が全国的に盛んに行われるようになつた昭和50-60年代にかけて、各地の栽培ほだ場で発生したシィタケのかさが未発達となり、著しく矮小(わいしょう)化する異常現象が頻発し問題となりました。以前から、類似の奇形シィタケは、ほだ木の腐朽が不十分な場合に栄養不足などの生理的な原因で起こることが指摘されていました。しかし、ここで紹介する矮化(わいか)現象は、十分に腐朽が進んだほだ木において発生し、しかもほだ木一代(4-5年間)にわたつて発生し続けることから、生理的要因による奇形現象とは明らかに異なるものと思われました。