食用動物由来薬剤耐性菌の低減化に向けて一国際動向とわが国の現状と課題一

摘要

最近，WHO (世界保健機関）は抗菌薬が効かない耐 性菌が世界中で拡大しており，このままでは人類が壊滅 的な被害を受けるとの警鐘を鳴らした.このような事態 を受けWHOは2015年に開催された総会において.耐性 菌と闘うための各国における行動計画の枠組みである 「薬剤耐性に関する国際行動計画（WHO Global Action Plan on Antimicrobial resistanceノ」を提案し採尺され7こ. この基本的な考え方がOne Health approachであった. WHOの活動はG7サミットでも支持され，耐性菌対策は かってないほど注Bされている.このような闳際的な動 きを受け，わが国でも「薬剤耐性対策ァクシヨン、プラン (2016-2020)」が策定された.これまでも家畜衛生分野 における薬剤耐性モニタリング制度の発足，リスク評価 の実施，そのリスクを低減化するリスク管理対策の実施 などの様々な耐性菌対策が実施されている.