二成分制御系研究を據り通って(前編-組換えDNA Bき代）

摘要

二成分制御系は環境シグナル検知、情報伝達機構の総称であり，1980年代から現在に至るまで精力的な研究が続いてい る.その間，口本では主に農芸化学分野の多くの研究者がそ の中心を担ってきた.その一人として，ここにその研究の個 人史をまとめる機会を得たことを光栄に思う.ただ，その 時々の最新情報をまとめる一般的総説と異なり，このような 文章では幅広し、年代の読者と時間軸を共有する必要がある. さもないと，「昔々あるところに……」といった単なる昔話に 終わってしまう可能性が高い.そこで，二成分制御系に関す る流れを分子生物学の流れの中に位置付けることにより，読 者との間で時間軸を共有することを心がけた.また，文章の 構成上他の研究者の成果にほとんど触れなL、非礼をあらかじ めお詫びする.