大果枝変わり西洋ナシを利用した 果実が大きくなる仕組みの解明-枝変わり西洋ナシの特性と ゲノム解析による解明-

摘要

果樹類等は数十年を超えて継続して屋外で栽培されることから、紫外線等の遺伝子変異を誘発する変異原を長期間浴びることになります。その結果、「枝変わり」と呼ばれる、自然条件下で起こる突然変異が引き起こされる場合があります。その率は非常に低く、数十万-数百万個体に一個体と言われていますが、日本において西洋ナシが四-万本以上栽培されていることを考えると、長い栽培期間内にはどこかで突然変異が起こつていると考えられます。突然変異が起こる遺伝子上の位置は基本的にはランダムであることから、多くの変異は形質には現れません。現れたとしても枝の生育が悪くなる、果実が小さくなる等の不良な形質が多く、そのような変異を持つ枝は剪定により除去される可能性が高いでしょう。