長寿梅の相場を上げた男

摘要

兵庫県で小品素材の生産と盆栽を業としてこられた西川欣男氏は、小誌でもおなじみの盆栽作家、西川智也氏の父親でもあります。西川氏が長寿梅に惚れ込んだのは今から約30年前のことでした。当時はまだ長寿梅自体の評価もそれほど高くはなく、現在のように市場にもそれほど出回ってはいなかったと言います。そこに目を付けた西川氏は、挿し木での素材繁殖に力を注ぎました。しかし、長寿梅の性でもある太りの遅さはネックでもあったようで、何とか太りを促進する方法はないかと、実験的に始めたのが、今回紹介するゴ石を使つた太り促進法なのです。このアイデアを成功に導くポイントは、いかに通気性を良くしてやれるかでした。西川氏は、既に挿し木5-6年生になつていた素材の中から将来性のあるものを選んで、3月-4月にかけてゴ口石に根を付ける作業を随時進めてきたそ、つです。