毎月の作業管理ガイド

摘要

梅雨が明けると夏本番。強い日差しが樹に容赦なく襲いかかり、葉灼けや水切れに細心の注意が必要になる季節が到来です。黒松や五葉松など日照を好む樹種は棚上で思い切り日に当てて培養しますが、雑木類や草物などは次頁で紹介しているように、寒冷紗などの下に保護する方が安心して管理することができるでしよう。この季節、水切れに対する配慮はしつかりと行なわれるのですが、案外見落とされがちなのが、蒸れへの対策です。生長期であるこの時期は、常緑樹だけではなく落葉樹も盛んに芽を伸ばし、葉を広げています。雑木の中でも特に葉が大きなものは幹内部への通風や採光が遮られることになりますから、内部の空気が流通せず、フトコ口の小さな芽は光合成も充分に行なうことができずに弱つてしまうことになります。またフトコ口部は暑く湿気を含んだ状態となりますから、病害虫が棲息.繁殖するのに格好の条件が揃うことになるのです。