パンコムギのVRN-A1優劣対立遺伝子を識別する共優性DNAマ一カーの開発と日本パ ンコムギ品種におけるVRN-A1遺伝子の分布

摘要

コムギ花成促進遺伝子VRN1 (VERNALIZA TION1)は、優性対立遺伝子 VRN1が春播性を、劣性対立遺伝子wrUが秋 播性を支配することが知られている。バンコ ムギ(TYitic謂aestiv—は異質6倍体（ゲノ ム構成AABBDD)であり、各ゲノムにVRN1 同祖遺伝子が存在する。3つの同祖遺伝子の うち、Aゲノムに座乗する同祖遺伝子F，-A1は最も表現型に対する効果が大きく、優性 対立遺伝子を持つ「埼玉27号」などの品種は 強い春播性（播性I)を示すことが知られて いる。また、VRN-B1とVRN-Diの優劣性が、 第一イントロンの欠失に関連するのに対し、 VRN-A1では、プロモータ一領域の変異が優 劣性に関連することが知られている。今回、 「埼玉27号」に存在する優性対立遺伝子VRN-Alaおよびそれに対する劣性対立遺伝子醫-メゾを同定できるDNAマーカ一を開発し、在 来-近代、現代の日本コムギ品種における VRN-Ala対立遺伝子の分布を明らかにした。