日本のコムギ品種系統におけるムギ類萎縮病抵抗性と5D染色体長腕上のムギ類萎縮病 抵抗性QTLに連鎖するSSR多型との関係

摘要

ムギ類萎縮病はムギ類萎縮ゥィルス(SBWMV ： Soil-borne wneat mosaic virus)レよ り引き起こされる土壌伝染性の病害である。 コムギ、ォォムギ両方に感染し、かすり状の 退色斑や黄化、萎縮等の病徴が現れ、収量の 減少を引き起こすことがある。ウィルス病の 防除には輪作体系の導入や作期の変更などの 対処法があるが、環境要因に影響されて安定 した効果が得られないことも多い。そのた め、これらのウィルス病への抵抗性を付与す ることが育種目標の一つとなっており、遺伝 的要因の解明が求められている。アメリカで は、複数の品種系統組合せを用いたQTL解析 の結果から、共通して5D染色体長腕上に効 果の大きいSBWMV抵抗性QTLが見出さ れ、連鎖するSSRマーカーが選定されてい る（Sears et al. 1997, Crowley 2010, Hao et al. 2012)oそこで、日本のコムギ品種系統につい てSBWMV抵抗性とこれらのSSRマーカー の遺伝子型との関係を調査した。