経営の「選択肢」を増やす: 栃木県那須鳥山市, 膏藤功治さん

摘要

「斎藤動物病院。畜産部です」。栃木県那須烏山市の斎藤利夫さん　（34歳）　は農場名を尋ねる問いに対し、そう答えて白い歯を見せた。　「子供の頃から『牛飼いになりたい』と話していました」　と母の梅子さんが述べるように、「いつかは就農する」　との意欲を持ち続け、北里大学を卒業後、飼料メーカー勤務を経て平成十八年に念願の就農を果たした。農場の土地は獣医師である父の利夫さんがあらかじめ借地などで用意していたもので、それが農場名につながっている。他農場での研修を経験せず、母牛三頭から始まった牛飼いは、現在四年目を迎え、母牛五〇頭、子牛四三頭を飼養するに至っている。「将来的には一貫経営を目指したい」　と抱負を語る斎藤さんに、子牛の飼養管理や経営への考え方を聞いた。