熊本ICTセミナー報告「ビッグデ一タを 肉用牛の改良増殖に活かす」

摘要

わが国の畜産をめぐる状況は、TPP交渉ゃ輸 入飼料価格の高騰等厳しさが一層増している。国 は「攻めの農林水産業」として畜産物の輸出に力 を入れており、国際的な舞台での活躍に期待が高 まっている。一方、国内に目を向けると、肉用牛 の生産基盤の弱体化が深刻な状況になってきてお り、繁殖農家戸数は10年前の64%である5万8 千戸まで減少している。そこで、肉用牛の生産率 の向上を総合的な対応で進め、わが国の肉用牛 生産の競争力強化を図ることが喫緊の課題になつ ている。このような状況の中で、近年、センシング技 術や情報通信技術（ICT ： Information and Communication Technology)等の新技術が畜 産分野でも活用されており、繁殖成績等の経営情 報をクラウド（雲:cloudを意味する用語で、ネット ワークシステムを活用したデー夕管理、デー夕処 理というイメージ）で管理するサービスが提供さ れている。こうしたクラウド上に蓄積されるビッグ データの中には、繁殖性等遺伝率が低い形質デ一 夕が大量に存在するため、これらの新たな情報資 源の活用法の確立について検討を行い、生産率 を少しでも高めることが重要である。