養豚現場Q&A: 日本養豚学会が養豚現場の問題にお答えします日本畜産振興会

摘要

現場にいると「なぜ、どうして」と小さな ことから大きなことまで、ふとした疑問が 湧き起こることが多い。一生懸命にその仕 事に携わっているとなおさらである。本書 は養豚に携わる人たちゃ、養豚を学ぶ人た ちが読む雑誌である『養豚の友』に寄せら れた、日頃の現場での声、つまり「なんだ ろう」「どうしてなんだろう」という疑問に、 日本養豚学会のその問題に精通した会員 たちが答えるユニークで読みやすい解説書 である。その本書の内容は、質問を衛生 管理、飼養管理、経営の各カテゴリ一に わけ、それぞれのカテゴリーに関連した質問に答えているわけだが、その質問には、 日常的に気になる「豚の癖」、あるい^:切 実な「養豚農家の後継ぎ問題」などュニークなものから、「豚インフルエンザと人への 影響」や、「下痢を発生させない飼養管理 法」、また「総産子数の安定維持の方法」 など専門的なものまで棣々なものがある。 ページをめくると、例えば飼養管理のジャ ンルに放牧養豚についての質問がある。放 牧といえば牛力5'思レ、つく力5'、豚で？というと ころで興味を引いた。養豚は舎内飼いが一般的であるが、最近では自然豊かな山間部で自由に飼われている放牧豚が豚の福 祉ゃ、安全安心でおいしい豚肉を求める消 費者に好まれているという。放牧と肉質の 関係では枝肉性状が放牧によって改善され るといい、肥育豚を歩行させることで、体 脂肪蓄積の抑制と筋肉組織が充実して肉 質が柔らかくなることが認められたという。 なるほどと思った。ここでは放牧飼育の意 義ゃ放牧飼育の基礎的条件などを解説し ており、まだまだ一般的な飼養形態ではな いがその可能性を示唆する内容であり、何 か新しいことを教わった気がした。