高泌乳牛、飼い方の研究: 高泌乳牛への改良と個体乳量の動向

摘要

わが国の食糧供給の一端を担う酪農部門は、長びく国内経済の沈滞にょる円安から為替レートの恩恵が消えて配合飼料は値上がりする一方、国際化による輸入乳製品等の増加にともない乳価は低下傾向と、先行きはなかなか厳しい状況にある。 このような中で、経営を安定させ、かつ、食糧供給の一端を担っていくためには、生産性の向上をはかることが必要不可欠である。 また、生産性の向上をはかるためには、個々の牛が生まれながらに持っている遺伝的能力の向上、すなわち「改良」と、遺伝的能力に見合った飼養管理、さらに、これらに要するコストを低減し個体乳量を向上させることが重要である。 本稿では、改良について、個体乳量の動向等からその効果を検証し、さらに効果的、かつ、速やかに改良を進めるための基本的な方法について述べる。 必ずしもじゆうぶんなまとめとはなっていないが、酪農関係者の今後の参考となれば幸いである。