スルファモノメトキシン、オルメトプリム合剤の飲水投与法と飼料添加法における哨乳子豚の細菌性慢性感染症防除効果ぉよび発育効果の比較

摘要

肉豚が哺乳期から育成期にかけて慢性感染症に雁患すると，その影響が出荷されるまで継続する。 このため，発育初期豚における慢性感染症のまん延ば養豚経営の基盤を根底から揺るがしかねない。 これらの特定慢性感染症には，大腸菌性下軌萎縮性鼻炎，胸膜肺炎（アクチノバシラス症），トキソプラズマ病などがありSPF農場の選定における非催患疾病にもなっている。 これら慢性感染症のまん延は，母豚との因果関係が深く，その改善策としては，出生時から育成期にかけての適正な薬剤の投与が効果をあげるといわれている。しかし，薬剤を飲水に溶解した水溶液を発育の初期から投与する方法は，規模拡大した養豚農場において哺乳子豚の極初期からの省力的な群管理による細菌性慢性感染症の予防が可能であると考えられていたが，哺乳子豚の飲水量が明らかにされていなかったことから実施されなかった。 このため，発育初期の豚に対する細菌性慢性感染症の予防を目的とした抗菌製剤の投与は，飼料に薬剤を混合して添加する飼料添加法によって離乳以降の子豚を対照に応用されている。