飼料政策、飼料事情、且飼料研究

摘要

一つの大きな国の国内向けの政策が世界各国に及ぼす影響の大きさを改めて身近に感じさせられたのが飼料用トウモロコシの高騰である。 グローバリゼーションの中に身を置く日本にとって，それは当たり前のことで，何を今さら，と言われてしまえば，「そうか」とうなずくしかないが。 しかし，グローバル社会の怖さは連鎖による危機の増幅にある。 連鎖とは？ 「昨年のオース．トラリアの小麦の大不作が世界の穀物需給に大きな混乱をきたし穀物相場上昇の機運を作った」，「アメリカのトウモロコシの作付け拡大が相対的に大豆の作付け面積を縮小させ大豆の国際価格が上昇している」，「原油の高騰が続いている」，「海外通貨に対する円の価値が22年ぶりという安い水準になってしまい，食材、飼料原料の購入価格を上げると同時に，購買力そのものが低下している。 中国やヨーロッパとの素材の購買競争で負けてしまう事態が生じている」，「中国の経済成長とオリンピック施設の建設のために船舶の調達が窮屈となり，それは原油価格の上昇と相まって海上運賃を上昇させている」。