過剰感が解消に向かうも資源離れが足かせ中国の含ニッケル銑鉄の生産落込みが後押しに

摘要

ニッケルの世界富給は，中国の含ニッケル銑鉄（NPI）の生産落込みや市況悪化による生産者の授業停止が予測され，今年は過剰感の解消が見込まれる。年初にはオーストラリアのクイーンズランドニッケルが経営破たんし，2月にはブラジルのボトランテンが操業を停止した。現状で大半の生産者が赤字経営に陥っているという。今後さらに操業停止に追い込まれる生産者が増えるとする見方は多い。国際ニッケル研究会（INSG）が昨年10月に発表した需給予測では，今年は2．3万tの供給不足に転じる見通し。国際相場は足元で8498ドル／t（LME。中値。3．85ドル）と直近のピーク（14年5月。月平均。19，434ドル）から半値以下まで値下がりした。年内の反発が期待され11，000～14，000ドルを見込む声がある。一方で，LMEに上場するニッケルは金融関連の影響を受けやすく，回復に懐疑的な見方もある。悲観的なムードほ根強く，原油価格の値動き次第では5，000ドル台までの値下がりを覚悟するとの声もあがった。