eコマースと持続可能性が後押しする世界のパッケージ用紙市場

摘要

本誌前号では、グラフィック用紙に代わって「文化のバロメーター」に浮上してきた衛生用紙について、世界各国·地域の需給を比較しながら市場動向を展望した。そして今号で取り上げるのは、こちらも「文化のバロメーター」としてのポジションを獲得しつつあるパッケージ用紙だ。[段ボール原紙+紙器用板紙+その他の板紙+包装用紙]という括りでみたパッケージ用紙は現在、世界紙·板紙の生産と消費でともに6割強を占めており、最大のボリュームゾーンになっている。リサイクル原料主体で持続可能性があること、したがって安価であり、仮に廃棄する場合でも環境負荷が少ないこと、簡単に折りたためるので保管·配送に際して場所を取らないこと、耐水·耐油、鮮度保持など、さまざまな機能を付与できること——これら数多くの利点を同時に兼ね備えた包装容器材料は他に見当たらず、パッケージ用紙は今後も紙類全体の中で中心品種としての重みを増していくだろう。