過給式流動燃焼システムの開発

摘要

一般的に、下水汚泥を焼却する際には、脱水後の下水汚泥を焼却するが、それでも水分を70～80％程度含むため、焼却は容易ではない。現在、多くの下水処理場で導入されている流動焼却炉は、多量の重油や都市ガスを補助燃料として加えた上に、蓄熱した硅砂等の流動媒体と下水汚泥を激しく撹拌して、燃焼させている。新たに開発された「過給式流動燃焼システム(以下、本システムと呼ぶ)」は、加圧流動焼却炉と過給機(ターボチャージャー)を組み合わせることにより、水分の多い下水汚泥を焼却する弱みを逆手にとって、焼却で発生する水蒸気を含む排ガスを利用して炉を稼働させるという、斬新な仕組みが中核となった技術である。本稿では、土木研究所等が共同研究により開発した本システムについて紹介する。