三菱電機 エプソンに生産委託 酒田でIGBT量産

摘要

三菱電機㈱(東京都千代田区丸の内2-7-3、03-3218-2111)は、パワーデバイスの供給能力拡大のため、セイコーエプソンにIGBTを生産委託していることがわかった。エプソンの前工程拠点である東北エプソン酒田事業所(山形県)の8インチラインを活用しており、すでに月産1万枚弱を発注していると見られる。生産を委託しているのはハイブリッドカーなどに搭載する自動車用IGBT。最終顧客はトヨタ自動車と見られ、三菱電機がエプソンに製造プロセスなどの技術を供与し、IGBTの生産に必要な製造装置の購入はトヨタ自動車が負担しているもよう。すでに月産1万枚弱を生産しており、今後は需要動向に応じて同1.5万枚まで引き上げる計画があるという。エプソンは半導体事業において、自社製品の製造に加えて、酒田事業所の生産ラインを活用したファンドリー事業も展開している。ファンドリー事業の顧客にはアナログIC大手の米マキシムなどがいるが、震災以降、BCP(事業継続計画)の観点から主要顧客の発注量が減少傾向にあり、新規顧客の開拓が求められていた。