日本語版FOCUS

摘要

研究者のみならず、患者をはじめとする一般市民からも注目を集めている再生医療。細胞や組織の材料として想定されるのは「幹細胞」である。よく知られるのはES細胞（胚性幹細胞）だが、不妊治療の際の余剰な受精卵から作製されるため、倫理的な問題がつきまとう。そこに登場したのが、体細胞由来のiPS細胞（人工多能性幹細胞）だ。ES細胞のような問題がないため、臨床応用の切り札として期待が高まっている。一方で、生体内の組織や器官に存在する組織幹細胞を用いた研究も進められている。今回の日本語版FOCUSでは、iPS細胞、ES細胞、組織幹細胞の研究の最前線を追い、同時に克服すべき課題や実用化へのカギを探る。