高性能テンション材ユニット組込みによるMルーフ&シルバークール屋根の耐震補強「SG工法」

摘要

体育館の屋根に多く使われた「Mルーフ工法」や「シルバークール工法」は、共に屋根面に水平構面が無いという共通の問題点を持っている。というのも、これらの工法は地震のほとんど無いドイツとフランスで開発され、我が国に技術導入されたものである。Mルーフ屋根は、腰折れのマンサード型であることがさらに補強を難しくしている。本記事で紹介するSG工法(スーパーグリッド/Super Grid工法)は屋根直下に小断面のH形鋼を格子状に配し、これにPC鋼棒テンション材ユニットによりプレストレスを導入するという新機軸を採用している。従来から行なっている木造スペースフレームによるシルバークール屋根の補強の際にもトラス上弦面の4隅に配置することにより構造効率が上がり、コストパフォーマンスが格段に改善される。シルバークール屋根の場合は、鉄骨格子に組込むか木造スペースフレームに組込むかは、建築計画に応じて選択すれば良い。(株)森林経済工学研究所代表取締役今井克彦氏に伺った。