佐渡宮大工明石家とその建築活動について

摘要

We study about source and building activity about the Akashi family of carpenter specializing in building shrines and temples in Sado Island. It was based on a historical records related to the Akashi family and information obtained from the building survey. The purpose of this study is to accumulate information precise about Akashi family.%本報告は，佐渡島において幕末から昭和にかけて明石近陽を襲名した工匠家の家系や，それら工匠が手がけた社寺建築の特徴等について論じたものである。その元となった資料は，棟札から新聞記事，工匠自身への聞き取り等多岐にわたる。rn地方で活躍した工匠資料の発掘•基礎的データの蓄積という視点から考えれば，著者の精力的な現地調査は特筆すべきものといえよう。しかし，次の点について詳しく知りたい。まず，初代近陽に多くの弟子がいる力その工匠組織はどのようなものであったのか。次に，佐渡の神社建築における向拝等の空間構成の特徴について，報告中に若干説明がなされるがもう少し詳しい説明が欲しい。また，その特徴は佐渡島に限定されるのか，他地域へ敷衍することは可能なのだろうか。これと関連して，初代近陽が手がけた代表的神社の一つのような扱いrnの白山神社本殿が，3章では関口家の事睫と確定しており，この関係を明らかにして欲しい。