1896.8.31陸羽地震の写真資料に関する文献調査

摘要

世の中は，高度にネットワーク化された情報化社会に突入し，被災状況は言うまでもなく，復興過程，さらには被災前の状況までもデジタル化された媒体として記録される時代である。日々，幾何級数的に増大し続けているビッグデータあるいはデジタル·アーカイブズをどのように防災に活用していけるのか,議論が必要なところである。と同時に，デジタル化社会以前の災害の記録を如何に残していけるのか，という命題も我々に与えられている課題であろう。本研究は，こうした問いのひとつの答えである。本報告は4頁に過ぎないが，精力的な調査なしに得られなかった成果である。当時の建築物の被害や仮設住宅の様子が理解でき，また被害状況と震度の空間的分布はわが国における建物の耐震性能の推移を知る上で貴重な資料となるかも知れない。現代の情報技術を利用して，こうした歴史地震の記録を蓄積していく取り組みが潮流となっていくことに期待したい。%Rikuu earthquake of 1896, which was an inland earthquake with magnitude 7.2, caused 209 fatalities and 5792 collapsed houses in Akita and Iwate prefectures. The authors have been continuing literature surveys on this disaster from damage distribution to recovery processes. We newly found archived photograph albums which were published just after the earthquake. In this study, a literature survey on photographic materials was performed and gathered materials were classified and listea in a table referring articles appeared in the reconnaissance reports and newspapers at that time. Typical disaster situations were discussed through these photographs.