脳炎のようにみえる脳血管障害もある！

摘要

脳静脈系の脳血管障害は静脈や静脈洞の閉塞によるうっ血性障害,脳圧亢進症状を主徴とする.動脈系の疾患よりも頻度は少なく，症状も非典型的で診断に難渋することがある.後天的要因として，妊娠，産褥，経口避妊薬の内服，抗リン脂質抗体症候群などの自己免疫疾患，白血病などの血液疾患があり，protein C欠損症のような遺伝性血栓性素因を背景にもつ場合もある.本稿では，頭痛，痙攣で発症し，当初，脳炎が疑われた症例を示し，神経学的所見，画像所見の特徴，最新のガイドラインに基づく治療について解説する.